第14回ベルマーレクラブカンファレンス記録-2 大倉強化部長による強化についての質疑

いつものように、事前に受け付けた質問の一覧に答えるという形でカンファレンスは行われた。
最初は、大倉強化部長が強化関連の質問に答えた。

大倉強化部長

祝日にも関わらず大勢の方に来ていただきありがとうございます。
来季反町新体制について、質問に答えますが、契約には守秘義務があって答えられないこともありますので、ご了承いただきたい。

【強化関連】
●菅野監督の退任理由は?
僕が2004年にここに来たときに、その翌年2005年に菅野さんが入ってきた。
今回契約を更新しなかったが、僕自身の苦渋の決断でもあった。
個人的な感情はさておいて、チームが先に進むために、チームは監督の個人の表現手段ではないこと、ベルマーレは永遠に続いていくことなので、判断した
判断の理由は3点。
1つは結果。
今年のリーグ戦の最初の戦力、他チームの状況を考えると、今年は昇格のチャンスだった。チャンスの年だったからこそ、結果を重視した。
2点めは在任の期間。
コーチ時代も含めて4年間だが、長く続いてくると、大きな弊害になるし、マネジメントについての不安があった。
3点めは、あと2勝の壁。
最後まで昇格争いに加わったが、最後の戦いでぶれない信念があったか。
そういった点から退任を決めた。


●反町新監督の就任理由は?
反町監督の人物、サッカー観で、世界基準で考えているということ。新潟、五輪の経験を通じて世界基準で考えている。
湘南のサッカー。これはぶれたくない、反町氏のサッカーが湘南のサッカーにある。
湘南地域の総合型スポーツクラブに感銘している。

以上の3点で判断した。

最後にはベルマーレ出身であることもあった。


●クラブとして反町新監督に対して期待していることは?
選手は非常に刺激を求めている。まだまだ育っていく若い選手もいる。そこに再アプローチしながら、育てていきたい。
ベースを変えずに来年はやっていきたい。


●反町新監督の下で目指すサッカーと来季の具体的な目標は?
目標はあくまでも昇格争いに加わっていくこと。

JFLからあがってくる3クラブは落ちないことを目標にしているし、
若手が戦力としてめどがたつと考えている。

●来期の契約選手と非契約選手の選考基準とは?
今回の非契約は反町氏と相談していない、僕が決めた。
僕の中でのクラブの問題点に基づいて決めた。


●加藤選手と斉藤選手を今季限りで契約満了理由とした理由は。
賛否両論の意見があるのは理解している。
望は引退することになった。
来年はトップのコーチに就任し、セカンドキャリアをすすめる。
ご支援のほどをよろしくお願いする。


斉藤選手。
今年のクラブの課題は70分過ぎからパワーがなくなることだと感じている。もっと前に行かなければならないところでできない。
彼から学んだものは多い。山口らが独り立ちできた。さらに前に進むために契約を結ばないこととした。
自立し始めていると判断したし。みんなが精神的支柱にならないといけない。


●高卒のGK、濱崎選手をわずか3年で契約満了理由とした理由は?
当然3年間みてきて、なかなかのびしろがなかった。
素質、指導、目利き、など総合的な面があるが判断した。
濱崎選手は佐川印刷に内定している。


●今季補強した選手に対する評価は?
選手に対する評価を直接言うことはできないが、外国人フォワードについてだけ述べさせてもらう。

リンコンは、うちの目指すサッカーに合わず、監督との会話もうまくいかず、1ヶ月以上の離脱になったので判断した。
カレカは1試合出場して、ゴールを決めて、違約金数百万もらってさよなら。
トゥット。コンディション、ブランクの問題があったが、ブラジルには自分は行かず、代理人など信頼できる人の目を通して判断した。リンコンを戻すという判断もできたが、チームを変えたいと思うのでトゥットに判断した。
来季も契約したいと思っているが、交渉中。反町監督人間性にも評価している。

他の選手については勘弁してほしい。


●なぜ他クラブのように全選手の契約更新状況を発表しないのか?
どのタイミングで発表するか、口頭で合意した時点か、仮契約を結んだ時点か、統一契約書にサインして正式に決まった時点か。統一契約書のサインはだいたい年明けになる。
広報とも相談して決めているが、自分としては、正式決定まで発表したくない。


●主力選手の契約更新状況は?
ほぼ全員の選手が今年の悔しさを来年に果たしたい、と思っている。
その中でオファーある選手はいますが、慰留をしている。どうなるかわからない。
J1からのオファーがある選手もいて、今年の悔しさとの間で揺れているようだ。


●今後の新戦力獲得の予定は?
U19カタール村松と鎌田が行く。大介は勉強する時間が無いので行かない。
これまで5選手の加入を発表しているが、それぞれのポジションで補強をしている。


期限付き移籍中の選手の来季の契約は?
猪狩は復帰する。
最後は鳥取に2点決めて鳥取の昇格を阻止した。
非常にいい成長をしている。仕事をしながらプレーしてきた。プレーの幅も広がった。
鶴見はもう一年鳥取に期限付きで残る。
来年も1人か2人修行に出したい。


●来季の戦力補強のポイントは?
ディフェンスラインの高さが足りないと反町監督と話をしている。
センターバックでJから1人レンタルで交渉中。
それ以外でJからとってくることはあまり考えていない。
現有戦力をベースに考えている。
平均年齢24ぐらいになるだろう。


●チーム編成およびコーチングスタッフ編成は誰の意見を最も尊重しているのか?
スタッフについては、反町監督に一切相談していない。
多めのスタッフ体制になる。顔ぶれが変わる。
基本的には私中心にコーチングスタッフを決め、反町と相談で決めてている。


●強化部に対する評価を誰が行っているのか?
社長。


Jリーグから制裁金が課せられるにもかかわらず、ファールやカードの数がなぜ多いのか?
ごもっともな質問。
菅野監督より、いくところ、止まるところの指示も出してきたが、難しい。
アグレッシブをはき違えてはいけない。
クラブとしても徹底していきたい。


●今季終盤戦に昇格を争うチームとの直接対決で敗戦が続いた原因は?
坂本・田村・ノブがいない時に落とした。
先ほども言ったが、70分過ぎからが問題。そこからが課題。
上位のチームに勝ち越して行かないと昇格争いに加われないし、大きな課題ととらえている。
選手のクオリティという単純な問題ではない。


●成績が悪いアウェイゲームの具体的な対策は立てているか?
今期は具体低対策はあまり立てていなかった。
アウェイを特別意識していないが、もう一度考えてみなければいけないと考えている。


●来季のチーム始動予定とキャンプの予定は?
1月19、沖縄のキャンプからスタート。
29の午後に帰ってくる。
2月は平塚でゲーム中心で調整する。


●今季、三平選手を特別指定選手としたが、来季も継続して特別指定とするのか?
そう思っている。大事な地元の人材と考えている。
ユニバーシアードの2トップの中核になるらしい。
その場合特定のチームの色をつけたくないと考えて、選手側から特別指定から外れる可能性もある。
他にも強化指定は幅広く考えていきたい。湘南地域に埋もれている選手がいる。


●ユースからトップへ昇格する選手がおらず、ユースの今季の成績が振るわなかった理由は?
監督の問題もあるのかもしれないが、周りに競合するユースチームが多く、人材を集めにくい状況がある。
ユースは勝敗よりも素材の育成に主眼を置いている。プリンス・リーグとサテライトが重なった場合、サテライトを優先させている。
今年は昇格する選手はいないが、2年1年には有望な選手がいる。



以上が、事前に上がった質問。
その後で会場からの質疑。


質問
コーチの育成、指導者の育成についてどう考えているか。


回答
指導者の育成も重要だと考えている。
浅野コーチはユースの監督として残ってもらう。
育成コーチとのミーティングを重ねることで、指導者の育成をやっていきたい。


質問
新卒の選手を獲得し育成していくということと、成績・結果を追求することの関係をどう考えているか。


回答
両方を求めることは難しいことだと思うが、育成しながら勝っていかなければいけない。
山口、田村は他チームと競合しないで獲得しているが、チームの中核に育っている。


質問
菅野監督のサッカーの総括をどう考えているか。ベルマーレの目指すサッカーと比べて。


回答
今のベルマーレの目指しているサッカーで、来季に継続していかなければならない。
シーズン頭と、昇格争いの最後のプレッシャーなどで、ぶれるところもあった。それが足りなかったところ。
積み上げてきたことはすばらしい。それをさらに積み上げていくことが大事。


質問
蹴ってくるサッカーをやられると弱かったイメージがある。そういった場合の対策として背の高いディフェンダーがあると思うが、新加入の選手ではそこがいない。
また、70分以降ということより、キックオフ直後とロスタイム前後、セットプレーなどのメンタル面も大きいのではないか。


回答
ディフェンスラインのポジションの問題もある。高さだけでは対応できないところもある。確かに身長というのも大きいが、それだけではない。

失点場面はご指摘の通り。メンタルなのか、入り方なのか、詳しく見て対応していきたい。
対応としては練習が大事で、練習を繰り返しやるしかない。


質問
来季のJ2の状況がどうなると思っているか、それがチームの編成にどう影響を与えているか。


回答
下位のチームの経営は非常に厳しいので勝負をかけてくるチームは多くない。
その中で十分勝負できると考えている。
自分たちのチームを作っていくことが大事。


質問
アジア枠ができるがどうするか。
また、C契約の外国人選手について、どう考えているか。


回答
アジア枠は、戦力としては魅力的な話。韓国、中国で2,3リストアップしているが、経営的な面の判断もあるので、総合的に判断したい。
C契約の外国人選手と言うことでは、ナザは来季の契約をしなかった。
C契約は常に活用を考えていきたいが、現時点では計画はない。
アジア枠は考えている。


以上で会場の質疑は終わり。

大倉部長退席。