第11回クラブカンファレンス記録-2

経営・集客について

7月のカンファレンスでは「赤字は進行中」ということだったが、その後はどうなっていますか

赤字は進行中です。
ただ進行中と言っても、そのままでは会社はつぶれてしまうので、そうならないためにスポンサーさんに、中間決算後の増額であるとか、チケットを買ってもらったり、いろんなお願いをして、それに応えていただいています。
債務超過は絶対に避けなければいけないと考えておりますので、これは今後1月末までの決算期の中で、いわゆる単年度期内で売れる権利とかを売っていきたいと考えています。
例えばサッカースクールの権利をある会社に5年間期限付きで売るということは技術的には可能です。
ベルマーレとして、ベルマーレのブランドを使ってその会社に権利を付与することによって、その会社が権利を使用でき、また我々も新しい拠点ができるといったような商品をいくつか9月の役員会で承認を頂き、その販売を今私が先頭になって手がけています。
2件ほど興味があると言われている部分がありますので、そういったものを1月末までに売却をして、新しい収入源にしてきたいと思います。

今後何を収益の柱にしていくのか

現在、収益の中で言うと、スポンサー収入が一番大きくなっています。
おかげさまで4億近く、3億後半の数字、今期スポンサー収入を上げることができました。
ただ、営業にも言っているんですけれども、今年からベルマーレ12という顧客管理システムを始めましたけれども、収入の柱が入場に移っていかないと、チームはなかなか強く、強化の部分の強くではなく、チームとして強くなっていかないんですね。
J2を今まで見てくると、「あ、強くなり出したな」というチームで、同時にお客さんが比例して次の年ぐらいから段々増えていき、と同時に補強の費用も増えていく、結果としてその戦力を2年3年保有続けたチームが昇格をしています。大体どこだかおわかりになると思いますけども。
それがガマンできなくて、予算優先であったり、あるいは成績あがってきているのにお客さんが横ばいであったり、というチームは、2年目は成績が腰折れします。
2年目、成績があがって2年目で成績が腰折れしたチームはいままで昇格をしていない、と言うことです。
従って、我々は来年厳しい経済状況の中、勝負をかけたいと思うのは、来年経営優先で考えると非常に厳しい結果を招くかもしれない、それは8年目で得た可能性というのを、著しく小さくしてしまうものになるだろうということで、強化費に関しては今年の予算規模を削らないようにやろうということで現在調整をしています。
その中で来年は、収入の中で一番金額が増えたのは、平塚競技場を満杯にしても4億になりませんけど、ただ圧倒的に増えたと言う収入の柱が入場料、入場者数であって欲しいと思います。

入場者数が1試合平均800人減っている

今年は1試合平均が800人、7百数十人減りました。その理由は、昨年来あるオフィシャルスポンサーのところを介して配っていた優待券を全て止めました。
これまで3年続けて入場は微増ではあるけど伸びていましたが、チケット1枚の単価がものすごく減っていると言うのが内情でした。
今年結構お金をかけてベルマーレ12というシステムを作ったわけですが、これは優待券の配布を、全部ではないですが一度止めて、そしてベルマーレ12を通じてお客さんの情報をもらって、ちゃんと一対一で営業ができる環境を作って、そこからもう一度勝負をしていかなければならない、このひとつの意味は、チケットの単価自体をもう一度元に戻さなければいけないということで、そういった策に出ました。
結果として総入場者数は減りましたが、入場料収入は逆に1千4百万ほど伸びて、久々に1億4千万円代を回復しています。
今回はガマンをした年だったわけで、そういう意味でも来年はかなり勝負の年になると思っています。
そんな状況ですので、収入の柱となると、来年もどうしてもスポンサー収入が一番上に上がってきますけれども、やはり入場者数、最終戦8000人近く入りましたけども、やはり常にあのくらいの数が入っているというスタジアムの雰囲気を確保したい。
選手達にもそういった意見をもらっています。

スポンサーが平塚市内に偏っていないか

スポンサーの数で言うと確かに平塚が多いです。
ただ、額で言うと東京と言うことになります。
本社決済をしている大型スポンサーのほとんどが都内にあると言うことで、そうなっています。
例えば、第一三共さんなどのように、工場が平塚にあるんけれど本社が東京であったり、その辺の解釈も若干変わってくるんですが、いずれにしろ平塚外のスポンサーの獲得も進めていきたい。
大口のスポンサーでいうと、伊勢原産業能率大学さんだったり、小田原のアプトホームさんだったり、小田原の鈴廣さんだったりとか、実はかなり均衡しているんです。
ただ、藤沢にもかなり大きな会社がありますので、そういったところにも以前からアプローチをしています。
スポンサーになっていただくにはタイミング等もあるので、一度でやってあきらめたりはしていなくて、しばらくおつきあいを続けながら、またお願いをするわけです。
例えば、あれだけいつも試合会場の誘導線上で旗を出してくれています横浜タイヤさんが、フジタ時代も通して始めて今年、看板を出してくださいました。
これはやはり会社側の都合と言いますか、タイミングというのもありますので、今までやってきたお付き合いから、結果的にこのタイミングで出してくださいました。
終戦日産車体さんが、1500万台生産記念と言うことで、子供達のチケットを全部買い上げていただきました。
日産車体さんも付き合いが長いですけれども、今年初めて最終戦でそういうことになっています。
茅ヶ崎オーテックさん、日産の子会社ですけれども、ホーム最終戦でご協力を頂いております。
今年からはじまっています、ボランティアさんのウエア等々に入っているスーパーのしまむらさんですけども、これも何度かアプローチしてなかなかご縁が無かったんですけど、今年からありがたいことに、ご協力を頂いております。
こういったことを続けていく中で、やはり今年感じたのは、やはり「成績が全てじゃないよ」と言いつつも、やはり成績がかなり影響するんだと言うことを、正直な話やはり中位より上にいなきゃダメだなということです。
夏になっても営業に行って手応えがある、秋になっても、「チケットなら何とかなるみたいだよ、だから行ってごらん」と言う声が入ってくる。
そのためには、何が先行投資かと言えば、皆さんよく分かっていると思いますけども、それをはずしちゃいけないんだなという風に思っています。

来期試合数が減り、入場収入が減少することが考えられますが、何か打開策は

来期は3回戦になります。
14試合3回戦。
基本的に第1クール第2クールがホームアンドアウェイの分配になります。
第3クールに関しては、事務局一任で、分配がされています。
つまり、どこかのチームのアウェイには行かない、どこかのチームがこっちにくるだけと言う場合もあるということです。
これに関してホームで24試合やっていたのが21試合に減るわけですから、3試合分のホームが減ります。
これは1試合平均で言うと、600人から700人増やさなきゃいけないはずです。
対策という訳ではありませんが、平日開催が劇的に減りました。
祝日は平日とカウントしない場合に、純粋な平日というのは多分2日ぐらいしかないです。
オリンピックの予定やワールドカップ予選の予定で、ひょっとしたら全体的にもっと増えるかもしれませんですけど、現状ではそのくらいしかないと言うことです。
経費とのバランスで言うと、大きくは影響しないかなと思っています。
ただ、それは策ではなくて結果としてですので、我々とすると、いかに競技場に来てもらうか、しかも優待券を増やすとかそういうことではなく、それを考えなければならない。
例えば、団体専用のエリアを設けることも考えています。
幼稚園単位で来てもらっても、長年リピーターの皆さんにしてみると、困るよ、ってこともあります。
これを何とか会場に来ている皆さんにご了解いただいて、上手く棲み分けができるようにしたいと思います。
それとフットサルの相模原大会の時に、あるスポンサーさんがついて、相模原協会の子供達を招待しました。
大人の人は払ってもらったんですね、引率の方は。
そして子供達のチケットに、表面はジオゴサントスとリカルドの写真とベルマーレのカラーでロゴが入っていて、裏に一色刷なんですけれども企業のきれいな広告が入ったものをつくりました。
終戦も、日産車体さんも裏に車の写真が入ったチケット、いわゆる広告ということで、そういったものを試験的にやってみました。
こういったことで、いわゆる企業団体売りと言った数をもう少し増やして行かなければいけないのかなと、そういう風に考えております。

ファミリー層に向けて来場を増やすための施策

今年は幼稚園単位で来ていただいたりしました。
子供は走るからとかよく怒られるんですけど、なるべくエリアをおじゃまにならないところにご案内をして、そちらの方になるべく行ってくださいということで、複数回来てくれたところもあります。
こういったことをもう少し進めていきたいと思います。

ホーム最終戦の前のミラクルカウントダウンのキャンペーンの時の様に町にポスターがあふれている状況を普段から作り出せないのか

仰る通りだと思います。
僕も自分で「もう時間無いけどこれをやれ」、「印刷している時間無いからカラーのビラでボーンと貼っていいから、それでやれ」と私が直接指示を出してやりました。
普段はチェーン系とかは大体断られます。
そこをうちの営業も頑張って、「9年ぶりにJ1ですから」って、そうするとさすがに同情を誘う。
中には宴会をやってくれるなら、1回飲みに来てくれるんなら良いよ、って言われてですね、本人は行かなかったですけれども、コーチ達に押しつけて、コーチ、育成コーチ達が忘年会で使っています。
そういうことの繰り返しだと思うんですね。
一度貼っちゃうと、向こうも本部がなんか言ってきても何とかなるかなって、思ってくれるかもしれません。
そこのハードルを越えるのがなかなか今まで難しかったんですけど、ちょうど良いそのきっかけになったなと思います。
ですから、あれ自体はちょっと鈍くさいポスターでしたけれども、あれだけ貼ってもらったところには、来シーズンの新しいポスターも貼ってもらえるようにすぐ対応しようと思います。
それから、もう一つ平塚の外に出るとポスターを見る量も圧倒的に減ってしまう。
毎年お願いはしてるんですけど、再度来年にかけて、10年ぶりですよと言うことでお願いして行きたいと思います。

圧倒的なホーム感を演出するための施策はあるか

今年最終戦、やはり選手もベンチ、ロッカールームを出て来たときにですね、ビックリしてました。
出場するときのボードが、これまでも何回かやっていただいているんですけれども、その中であれだけの数になるとですね、見ていても違います。
昨日選手と話していて、そういったことをやっぱりこっちのロッカーの方の応援のお客さんもやりたい人がいるんじゃないですか、と言われました。
スタジアムの構造が悪くてですね、ご存じのように立ち見のところを閉めてますし、開けたとしても動線で歩けなかったり、通り抜けができないんです。
そういうことで個別個別のボックスに入っちゃった感覚になるんです。
その辺を少し祐三君なんかにも相談してですね、来期に向けて違う展開を図りたいと思います。
今年最終戦のように7ゲートのこう青と緑でバッと一杯になったというあの帯を手前1ゲートと、さらに6ゲートはあの大きな真ん中にある電光ボードで物理的に切れちゃってるんですね、あそこで流れが
そこでやっぱり流れが切れちゃう。
寂しいですよね。
その辺を少し考えなきゃいけないのかなと思います。