第12回クラブカンファレンス記録-1(大倉強化部長の話-1)

真壁社長の挨拶

みなさんこんにちは。
足元の悪い中、雨が降って大変ショックなのですが、わざわざお越しいただきましてありがとうございます。
短い時間ですけれども、今期のスタートにあたって例年通りお話をさせていただきたいと思います。
今回、昨年の暮れ、お約束で強化部長が出席するって話だったんですけれど、強化のどうしても大事な件で出られなかったものですから、シーズンはじめですけれども、大倉も顔を出させていただきました。
ただ、言えることと言えないことがあります。シーズンが始まっていますので、その辺は何となく説明の中で、ニュアンスをつかんでいただきたいと思いますので、短い時間ですがよろしくお願いします。

大倉強化部長の話

こんにちは。
今年も強化育成グループの責任者をやらせていただきます、大倉です。改めてよろしくお願いします。
本日はこの雨で、朝の練習も吹き飛ぶぐらいの風で、この風が午後の試合にどう影響するかっていうことも、監督とも話をしたんですけども、是非、応援もよろしくお願いします。
今日は、全体の、特に強化を中心に今ベルマーレがどこに向かっているのかって言う全体像と、それから今年の補強、全ては質疑で話せるかどうか分かりませんが、今年の補強のお話と、いただいた質問に対するお答えと、それからベルマーレの育成、下部組織での育成について、抜粋ですけどもお話をさせていただきたいと思っております。

全体像

まず全体像として、これ3年前から言っていますが、2005年に10年後の絵をどうしようかっていう話を「ベルマーレ2015」というビジョンとして作っております。*1
当然トップはJ1に存在しなきゃいけない。
そして、我々の生きる道としてはやはり育成の選手、下部組織から上がって来る選手をなるべく多くトップの方に送りたい。なおかつキャプテン、いわばベルマーレの魂のあるそういった選手がキャプテンとしてチームを引っ張っていって欲しいという目標を立てています。
その中で、産能大学のサッカー部さんが、昨年より我々との強固な関係を作ろうということで、連携を取っています。今年産能大学サッカー部さんまだ神奈川県の1部リーグなんですけども、全国から約25人位選手をとりまして、近くの伊勢原の温泉旅館を1つ寮にして、今、3食食べさせて鍛えていると言うことです。計画では3年4年後には関東1部リーグまで上がって来るだけのパワーを持って今取り組んでいるということです。監督は元フジタの坂下さんがやられています。うちから鳥飼コーチが派遣して一緒にやっているということです。
産能大学さんとの連携の理由としてはユース出身の選手の受け皿であったり、いま非常に大学サッカーというのが見直されていて、いきなり18才からプロになるというは結構狭き門になっておりまして、19〜22才の強化を含めて我々と協力してやって行こうということになっています。

普及、サッカースクールは2015年に2000人に増やしていこうということで、今一生懸命やっております。今約900人から1000人ぐらいいます。ここ2、3年ぐらいで大分増えているという状況です。
2015年というと、今の15才〜18才、中3〜高3ぐらいの選手が25才前後になって、小学校6年〜中2ぐらいの子が20才前後になっているということで、今小学校6年生まで、個々の選手の将来を見据えた戦略的なプロジェクトをやっているという状況です。

トップ

ここからはトップの話ですけど、いつも言っている話ですが、トップが存在する目的としては、湘南地域に住む人々に夢とか感動を与えましょう、そのための手段として、常にゴールを意識した攻守の切り替えの早いアグレッシブなサッカーをしていきましょう、当然ここ3年言い続けていますように、目標としては、最後まで昇格争いに加わってJ1に行く、ということです。*2
こういったパネルをクラブハウスにも貼っていまして、常に何かある度に選手に伝えています。
要は、クラブが目指すサッカーがある。クラブのサポートの元、監督が戦術戦略を練ります。その中でチームの理念の実現、感動を与えていくということをやりましょう。その先に結果はついてくる。結果ばっかり気にして、例えば「勝てるかな」とか、「相手は強いし抜かれたらどうしよう」とか、あるいは「シュートはずしちゃったらどうしよう」とか、そんなことを気にするな。とにかく我々は感動与える、チームの理念を実現をしなきゃいけないんだ。そういう使命なんだ、ということを、タイミングを見て選手に伝えています。
この間の横浜FC戦の前半は、全くこれを実現していないということで監督とも話をして、監督の方から選手に伝えています。
細かいところでは色々問題あますが、ひとつの基準として、そこは最低限のラインとして、今ここ3年間ずっと言い続けていると言うことです。
チームの定義として、チーム作りをする上で非常に大切で、監督が変わると全てが変わってしまうということではなくて、やっぱりチームっていうのは、ベルマーレが94年にJ1に上がってからずっと蓄積してきたものがそれぞれのその時にあるわけで、そういうものを大切にしていかなければいけない、監督が変われば全てが変わると言うことではなくて、チームとしてぶれない軸が必要ですよねという話を、監督とは常日頃からしています。その上で監督が来ているということでございます。
選手編成のテーマとして、今年考えたことは3つありまして、当然去年来てくれた選手でパフォーマンスの良かった選手は当然継続しなきゃいけない、そういった選手をとにかく契約交渉で残していくという作業と、もう一つは再評価と言うことで、3年目から5年目位のベルマーレに在籍している選手、つまり将来を担っていくだろうという選手の再評価を行っています。その結果何人かの選手は外に出したし、入ってきた選手がいる。最終的にはもっともっと競争を高めて行かなければいけない。キーパーからフォワードまで縦の軸を中心に競争を作っていきたい。当然そのピンポイントで補強しなきゃいけない、例えば後で質問に出ると思いますが、右のサイドバックをどうするんだ、フォワードはどうするんだ、それは当然ありますが、大枠の考え方としてはしっかり縦の軸を持ちたい、その中でチームの中の競争力を昨年よりも増していきたいというふうに考えて、チームを作っております。
ここ2006年、7年、8年と約33%ずつの選手が入れ替わっています。一回りしたという状況ですね。2005から6年までに居た選手で現在残っているのは5人ぐらいの選手です。ですので、毎年10人近くの選手がこう入れ替わって今年2008年に来ているということです。
昨年は結構後ろの方の選手を、獲得した選手の中でも6人ぐらいが後ろの方の選手だったんですけれども、今年は割と前の方の選手が少し増えているということです。
あとでまたトップの方の質疑応答を受けますので、一応トップの話としては今年このテーマでやったということです。

下部組織*3

ベルマーレの下部組織についてですが、2つの育成グループ、いわゆるプロを作っていきましょうというグループと、普及、先ほど「2015」にありました、2000人に増やしていこうという普及グループという2つのグループがあります。

育成グループの方の話ですが、「SEA」海にかけてこういったスローガンをかかげております。

S:Spirit(戦う気持ち、真面目さ)
E:Energy(エネルギッシュに)
A:Aggressive(攻撃的、積極的)

指導者の姿勢、オープンマインド。OPENと書いていますけども、そう言った姿勢でコミュニケーションキャッチボールをしっかりやっていきましょうというような話になっております。

OPEN MIND(意見を言う、聞く勇気を持とう)

O:思いやり(気配り)
P:プラン(長いスパン)
E:エネルギッシュさ(自発的に勉強する姿勢)
N:熱意(あきらめない、向き合う)

それから育成のところで大事なことなんですが、選手の育成のベースとなる考え方を共通の認識を指導者が持ちましょうということで、ちょっと抜粋していますが、選手個人のプレーの質はプレーの質で判断されるので、どれだけ勝った負けたで判断されるものではないということです。
それから、フィジカルとか技術は両方大事だけど、技術のある選手にもっと走れるようにしていこう、といアプローチです。
それから、良い習慣をつけましょう。それから、高い能力のある選手やより高いレベルでやりましょう、と言うことです。
それから色々なポジションを経験させレベルアップをさせよう。勝つためにやるのではなくて、その選手がどう伸びていくかというところで、例えばフォワードなんだけどサイドバックをやらせてみましょうと、そういった議論をしていこうと。
カテゴリーに所属する選手はコーチ全員が把握しましょう、自分のカテゴリーだけじゃないですよと言ったところを姿勢として、選手を見る目、育成のベースとして持ちましょうと言う話をしております。
早口で申し訳なかったのですが、トップの全体像のお話と、育成のベースとなる考え方を話をさせていただきました。

*1:記録作成者注:オフィシャルサイトの「マニフェスト730」、強化・魅力あるチームづくり - 「剛くTSUYOKU・常にひたむきに・昇格争いに絡むチ−ムに」、のところに、「FUTURE2015」として、ビジョンを表した図が掲載されています。そちらを合わせてご覧下さい。http://www.bellmare.co.jp/bellmare/view/s.php?a=907

*2:記録作成者注:オフィシャルサイトの「マニフェスト730」、強化・魅力あるチームづくり - 「剛くTSUYOKU・常にひたむきに・昇格争いに絡むチ−ムに」、のところに、チーム理念、目指すサッカーが掲載されています。そちらを合わせてご覧下さい。http://www.bellmare.co.jp/bellmare/view/s.php?a=907

*3:記録作成者注:この項目については、オフィシャルサイトの「マニフェスト730」、育成 規律・姿勢を重んじた選手育成 - 「計画的な育成システムの確立」、のところを合わせてご覧下さい。http://www.bellmare.co.jp/bellmare/view/s.php?a=908