第16回湘南ベルマーレクラブカンファレンス記録
皆さんこんにちは。
挨拶をするより、中身の話をした方が多分勝ちがあると思いますの、早速中身の話をさせていただきたいと思います。
皆さんの長い間の力添えのおかげで、いつか落ちてくるだろうと業界では言われつつ、1位を保ったままここまで来られました。
まだまだ先はたいへん長い、昨年に比べると9試合多いので、9試合あれば何が起きても不思議ではありません。
その状況の中、今ある意味新しいテーマを抱えています。
今という問題は毎年抱えていて、次の年という問題も毎年抱えていて、それに加えて今度はその先も含めていろいろなことを今判断しなければならない時期に来ています。
そんな中での今日のカンファレンスですので質疑応答の後、そういったことも含めた方向性の話をまとめてしたいと思います。
それでは質疑応答からお話をさせていただきます。
シーズン中は強化担当は出させない、ここでの発言の重みも増していて、選手たちの気持ちに影響があってもいけないということで、例年通り私一人でさせていただきます。
【強化関連】
トゥットおよび丁と契約を延長しなかった理由は?
トゥット選手に関して言いますと、怪我の多さです。
一発のシュート力よりも、いざという山場で計算できないことの方が困る。昨年あれだけの活躍をしてくださって、今年もエースとしての契約をしたが、3週間ぐらいの怪我を、開幕前も含めると3回しているということは、いつ離脱してもおかしくないので、難しい。本人も納得の上で契約を終了しました。
アジア枠を使って呼んだ丁選手については、能力は評価できるが、今必要かというと即戦力として投入できるわけではない。
頭数を増やしたくないことも含めて、今回彼は別のチャンスをとった方がいいだろうということで、うちの紹介で何カ所かトライアウトを受けに行っています。
契約を延長したままレンタルという手もあるが、アジア枠とっておきたいので延長しませんでした。
ネネとアドリアーノの獲得意図と母国での活躍の度合いは?
ネネ選手の場合、アマゾンを出たことがありません。
アジエルが毎日「信号機ってのはさあ」とか、そういうことからしっかり、プロとしての教育をしっかりしている段階です。
強化部長として、去年のトゥット、カレカのように日本での経験を優先した方が安全だが、適当な選手が我々の中ではいなかった。その中で、スーパーな選手ではなく、強化部の持つテーマをそつなくこなせる選手を選びました。
アドリアーノを最初に決めて、ネネに関してはC契約ができるということでアマゾンからやってきた
。
アドリアーノは南の方にレンタルで出てて、そこからやってくる。
強化部のあるテーマに沿ってこなせる選手と言うことで獲得した。
なぜアジア枠を使わずに4人目となる外国人選手を獲得したのか?
アジア枠の選手を新たに獲得する予定は?
アジア枠を使うつもりでいることには変わりはありませんが、8月末までの期間で見つからなければ無理して交渉はしません。
費用の問題もあるので、無理して分散させるよりもある程度集中して投入したいと考えています。
アジア枠がいいのか、無理することも無いのか、レンタルを考えるのか、費用と相談しながら考えています。
直接の昇格争いの相手だけでなく、嫌なチームとの対戦も残っているので、その中での試合の結果や、そこ欠点が明らかになれば対応していかなければならないが、優先順位では、今いる選手が成長してバックアップに入るのが最優先です。
今チームには一体感があるので、試合に出られない選手ががんばってしっかりした仕事をすることが昇格への近道です。
枠を使うかどうかは常に考えているが、基本は今いる選手で戦っていけるチームを継続して強くしていくことです。
途中加入の選手は、練習でもギャップがあって理解が追いつかない点がある。半年一緒にやってきて反町のサッカーを理解している選手が活躍してくれるのが一番だと思います。
ここ1ヶ月の新加入選手3人で今季の補強は終了か?
8月末まで終了ではないので、前述の通りいろいろ考えています。
移籍金廃止を受け手の選手獲得方針や所属選手との継続契約の方針は?
Jリーグの規約にある移籍金が廃止であって、複数年契約の違約金条項は残ります。
しかし今シーズンの途中でこれまでの移籍金が廃止されてしまった。
昨年の契約交渉の際に移籍金廃止を見越して複数年契約を検討しましたが、資金力の無いクラブが「仮定の話」で複数年契約をすることはできません。リスクを考えると正式にルールが変わってからということで、単年契約が中心になった。何人か複数年契約はしているが、今年のオフは契約は大変な作業になります。
そういうことも含めて是が非でもJ1に行きたい。
選手たちもベルマーレでやりたいと思っているが、選手生活の期間を考えると、チャンスがあればJ1やりたいと考えているので、そういう意味で重要なシーズンです。
しかしメリットが無いわけではありません。
J1のチームで出場機会の無い選手を獲得するチャンスが増えることがあります。
反町が続投してくれれば、反町の元でやりたいという選手がくる可能性があります。
そのためにはJ1にいることが大事です。
育成やクラブとしての在り方、選手に対するスタンス、等々がポイントになります。
それと日々の練習の質も重要、そういった環境を維持できるか重要です。
それらが維持できれば、移籍金の廃止は全てがマイナスな訳ではありません。
現在チームが好調な理由と今のチームに足りないものは何か?
好調な理由は、練習。
菅野の時も変わったと思ったけど、反町になってそれ以上に変わった。
沖縄のキャンプの時から、選手の、特にメニューを聞くときの集中力が高いと感じた。
反町がチームに話をするときは、彼の説明は意図したものがあってわかりやすい。
それを選手が自分の頭を使って吸収しないといけないので、頭を使う。
菅野も選手に考えさえることをしていたので、菅野の後に反町というのは非常に良かった。
ベースは菅野が作ってくれた。
菅野が走れるチームを作って、反町も選手が走れるベースがあったことを評価して、その上に積み上げている。うまく接続ができた。
足りないものは、バックアップの選手が、例えばアジエルが急に怪我したときに、代わりに入る選手がすぐ機能するまでにはなっていない。
去年の広島とか、松川がいた頃の京都のレベルまではいっていない。
控えの選手がどこまでがんばるかが大きなポイントです。
【経営関連】
来季J1に昇格した場合とそうでなかった場合のビジョンは?
そうでなかった場合のビジョンから話しますすと、今の資金繰りの状況からすると、劇的に軽めにしないと、ひょっとしたらクラブが成り立たないかもしれません。
昇格した場合については、いま現実的な数字を積み上げて試算しています。
どちらも同じでいずれもお金の問題です。
このままの経営の仕方では厳しいことは間違いありません。
拡大予算を3年間組んで来たが、今後は難しい。
この規模のクラブとしては効率的に結果を出しているが、これをJ2でやって行くには大型の資本増強が必須です。
景気の状況を考えると大企業は難しいし、仮に景気が良くなってもJリーグの設立当初のように大企業がプロサッカーチームを持つことは考えにくい。
新しい経営者や、地域貢献を重視するところを中心に数年間探してきたが、リーマンショック以来そのような話が驚くほどなくなった。
その中で、いろんな策をやってているが、これまでとは違う新しいところとの交渉ごとも始めています。
昇格できなかった場合は歯を食いしばる状況になるかも知れません。
現状の予算状況および今後の予算計画の見通しは?
現状では、かなり持ち出しで推移しています。
昨年昇格に届かなかったときに、もう一回やろうということで、赤字覚悟で今季を迎えています。
これは私の責任で集めてくる話です。
会社というのは、資金繰りが回れば絶対に倒産はしません。それを第一優先に仕事をしています。
J1昇格時のJリーグによる審査には合格できそうか?
合格できます。
できる前提でやっているので、選手が結果を出せば、ご心配をかけないようにします。
来季をJ1で戦うことを見越しての準備は進めているか?
進めています。
強化面では、例えばC契約を何で取ってきたかというと、来年を見据えているから獲得した。可能性を含めて考えています。
経営に関することでは、リーグより2点指摘されているが、それへの対策も考えています。
持ち株会会員の追加募集の予定はあるか?
年末に向けてもう1回行いたいと考えていますが、最優先は他の方法での資本金の積み上げをすることです。J1に昇格するのであれば、自前の資金を持っておきたいので、同時にするかもしれません。
【営業関連】
なぜチームの成績と観客数が比例していないのか?
これが最大の問題です。現在観客動員は上から6番目です。
川崎がJ1に昇格したときに似ていると感じます。そのときの川崎は夏までは集客に苦戦しましたが、夏頃からから入り出した。
大宮もそうでしたし、首都圏のチームは現実味を帯びてこないと動かない傾向にあるのかもしれません。
夏が勝負ということで、26日から仙台戦までホームタウンの子供だけはタダにすることにしました。
理由は2つあります。
猪狩が決勝点を決めて勝利した札幌戦は私も感動したが、16年前に猪狩が父親に試合に連れてこられてサッカーを始めた。当時のベルマーレの財産が16年後に花開いた。そのことを考えると、興行ということが第一ですが、この地域から16年後で構わないからJリーグの選手になってもらいたい。そういう意味も含めて、子供達をタダにしたい。
保護者の方も優待するが、それは夏休みはナイトゲームだということで、子供達だけで来ると安全面の問題があるので、保護者に引率して頂きたい。
A-LINEさんが夏にいろいろと企画をバックアップしてくれることもあり、夏休みはどこのチームも客数が落ちるが、そこで増やしたい。
今年の入場料収入の予算を達成するための方策は?
今年は強気の予算を組んでいて、昨年1億5千万に対して今年は2億を目標に活動しています。その目標に対しては、現時点で80%の状況ですが、去年の実績は超えています。
後期、今の平均入場にプラス1000人が必要です。それを達成できなければJ1に行っても厳しいだろうと思っています。
入場者数が6位というのを何とかしなければいけない。
ハーフシズーズンチケットの販売状況は圧倒的に個人で、法人の割合が少ない。
そこがうちの弱いところなので、後で述べることも含めて、強化していきたい。
チラシ配布などの宣伝活動にサポーターの協力を仰いではどうか?
担当は「大歓迎です。」と言っています。
チラシの配布は、ベルマーレが駅前でがんばっている姿を見せることで、集客を狙っていますが、もう一段階新たな取り組みが必要だと思っています。
パブリックビューイングを全アウェイ戦で実施できないか?
PVは商店街の皆さんが主催なので、あの辺の方が盛り上がってくれれば続けられます。
我々からは常にお願いをしています。
新規ユニフォームスポンサーのめどは?
来週背中に1社つきます。発表は木曜日です。
コマーシャル打っているような会社で今までと違った系統の会社です。
肩を一生懸命営業中です。
シーズンも半分以上過ぎたので半額以下だけど、来季も見据えて交渉しています。
MARE以外にサポーター向けの読み物を発行する予定はあるか?
やりたいとは思うが、コストの面と、タウンニュースや湘南ホームジャーナルなどで積極的に情報掲載をしてもらっていることもあり、現在新しいものの発行はありません。
J1昇格決定時の記念イベントの予定はあるか?
やりたい。いろいろと考えています。
【競技場・クラブハウス関連】
大型ビジョン設置に関する現状は?
Jリーグからの競技場改修の要望の内容とその実現への方策は?
ひらつかクラブの市議会議員に集まっていただいて、スタジアムの現状について、選手名表示のボードの問題、障害者席の安全面の問題、立ち見席の問題、屋根の雨漏りや、屋根の設置などを説明しました。
優先順位として、障害者席とビジョンから改善して欲しいとお願いしています。
今後もこのような活動を、後述のPowersを通じてやっていきたい。
他クラブのように競技場改修の募金を実施してはどうか?
募金に関しても後述のPOWERSを通じてやっていきたい。
競技場内にコインロッカーを設置できないか?
これはいい提案ですので、やっていきたい。
選手のロッカーの中にあるが、観客が使える状況ではない。
コンコースの中で検討していきたい。
指定管理を受けることができると、こういうことは早く進められます。
クラブハウス問題の現状は?
動いていない。
それよりも、競技場を優先している。
【チケット関連】
メインスタンドの指定席に空席が目立つので、自由席のエリアをもう少し中央方向へ広げることはできないか?
エリアの線引きをシーズン中に変えるのは相当難しいので、シーズンの切り替わりに検討したい。
空席は目立つが、法人契約などで、チケットとしては席は埋まっています。
自由席に移動して見ている人も多いので、空席が目立ってしまう。
指定席に空席が目立つと臨場感に欠けるので、研究をしたい。
J1に昇格した場合、ゴール裏は常時開放するのか?
解放します。
8ゲート限定の割安チケットを販売してはどうか?
担当が検討中です。券種の見直しも含めて行う必要があります。
【グッズ関連】
個人名が入ったグッズを製作する際の選手選定基準は?
営業と強化部が相談して決めています。
A-LINEのウェアはどこで入手できるのか?
A-LINEは市販のルートを持っていない。もともとチームオーダーが中心でやっています。
【試合運営関連】
競技場の最前列の柵に上ることも達への対策はできないか?
毎回運営が頭を悩ませています。どこのチームも苦慮しています。
この中でお子さんを連れてこられている方は、是非ご協力をお願いします。
【ホームタウン関連】
平塚以外の場所での試合開催計画はあるか?
会場未定になっていた10月3日の岡山戦は、厚木の荻野での開催を検討していました。
しかし、ピッチ環境などの面から、リーグよりサテライトを開催して実績を積んでからということになり、平塚で開催することになりました。
平塚競技場以外のバックアップのスタジアムが無いと、試合スケジュールに影響が出てくるので、引き続き検討していきたい。
藤沢にもお願いしています。
今後のホームタウン住民との関係強化をどう考えているか?
もっと密にしたい。
ホームタウン以外のエリアで応援していただいているエリアへのホームタウンの広域化は少し考えていきたい。
ベルマーレの名を冠した地域イベントをもっと増やすことができないか?
いろいろやっていきたいと思います。
【NPO関連】
スポーツ教室などのイベントの参加状況は例年と比べてどうか?
スポーツクラブの活動が地域に根付いている実感はあるか?
かなり増えています。オーシャンスイムは例年の倍の応募が来ています。健康づくり教室の問い合わせも増えています。
そういった活動が根付いている今、このタイミングでJ1に行きたいし、ここを逃すと相当厳しくなるでしょ。
フットサルクラブのカンファレンス開催の予定は?
どこかでやりたいと思っていますので、日付などが決まったら案内させて頂きます。
Bellmare Powers
残った時間でBellmare Powersについて話します。
ジュビロに連絡協議会という後援会があります。
既存のロータリークラブなどの各種団体が、新しい後援会を立ち上げるのではなく、そのままの団体でジュビロを応援していく団体です。
考え方のベースはそこにあって、既存の団体に入って頂く団体を作ろうということです。後援会は本来クラブがやるべきものではないので、後援会という形をとりたくなかったということ、いただいた費用は強化に使っていきたいので、団体が別になると、税務上のやり方が難しくなるということで、クラブ主体で既存の団体にお願いして歩いて、Bellmare12の法人版のネットワークを作りたいというのが考え方の基本です。
個人でも加わりたいという人にも間口は広げています。
この中で、先ほどの募金活動や、オーロラビジョンの設置などの市へのお願いなど、行政を動かすためにはこのような団体を通じてやっていきたい。
また、地域の活性化という面では、ベルマーレを通じて、法人間のつながり、団体通しのつながりを築いていきたい。それが地域の活性化に繋がっていくと思います。
組織自体も、立ち上げ時は我々がやっていきますが、事務局スタッフも、これから地域の中で集めていきますので、我こそはという方は是非手を挙げてください。
8月中に立ち上げるつもりですが、活動をしながら組織を作っていきます。
ベルマーレを支えて頂くというのが基本ですが、逆にベルマーレに対して、こういうことなら協力できるから是非やって欲しいという提案を出してもらえるようにしていけば、地域も元気になっていくのではないか。
昇格するチームはお客さんが増えていきますし、後援会組織も広がってい来ます。
こういう状況の中で今を逃したら出来ない、今の状況ならこれ以上待つことも無いということでスタートします。
質疑
Q.今年ナパサの中継が多いのでスタジアムに来るようになった。場内でFM放送で何かできないか? 視覚障害者のサッカーファンもいるので、検討していただきたい。
A.ナパサの社長の人と前々から話をしています。ナパサでは今年の試合は全部中継しています。次のステップとして、場内でのFMラジオの貸し出しを検討しているので、実現できるようにしたい。
場内の環境をよりよくするためにやっていきたい。
一方で、ワンセグについては、厳しくなっている状況です。
Q.シーズン開始時のチケットトラブルの是正は終わっているか? ワンタッチパスについているエディを場内で活用出来ないか?
A.チケットトラブルでは、被害を受けたクラブの中では被害度は大きい方ですが、是正はされて来ています。リーグもがんばっていて光がさして来ている状況です。
エディは難しい問題もあるので、今はまだ出来ていませんが、今後活用していく予定です。
Q.Powersの入会はまだ受け付けていないのか?
A.まだ組織ができあがっていませんが、受け付けます。ここに来て頂いている皆さんは、いつもいい意見を頂いてクラブを支えて頂いているので、Powersをよりよいものにするために意見をいただきたい。
Q.原則ホームタウン内と書いてあるが、ホームタウンの外でも入会できるか?
A.問題ありません。
元々の趣旨としてホームタウンの団体にたくさん入って頂きたいということで、ホームタウン以外を排除するものではありません。
最後に
福岡戦は歴史的に天敵なので、今シーズンこういった試合をしっかりとることが結果に繋がっていくと思いますので、厳しいご声援をよろしくお願いします。
絶対にJ1に昇格できるように経営もしっかりバックアップしていきたいと思いますので、ご支援をよろしくお願いします。